【現地レポート！】Skydio Ascend 2024

　2024年9月25日〜26日、アメリカ・カリフォルニア州で開催された「Skydio Ascend 2024」に参加しました。今年も多彩なプログラムが用意され、業界の最新トレンドや技術革新がひしめく中、特に注目を集めたのは「Dock for X10」の発表です。このDockは、昨年のSkydio Ascend 2023で発表された「Skydio X10」との組み合わせで、障害物をどのように回避するかに重点を置いたAIを活用した自律飛行が可能です。これにより、遠隔地からでも安定してドローンを運用できるようになりました。

　さらに、Skydio X10はNightSenseという革新的な技術により、暗所での安定した飛行を実現しています。Dockを利用することで、夜間の運用も可能になり、警察や電力会社、建設現場といったさまざまなシーンでの活用が期待されています。アメリカ国内では、すでに警察や電力会社による変電所や配電設備の点検に活用が始まっています。これに続き、日本でもインフラや公共施設の点検業務での活用が見込まれています。特に、プラントやダム、建設現場などでは、Skydio X10の活躍が期待されます。
　イベント冒頭のAdam CEOによるOpening Keynoteでは、強い雨や強い風の中でもX10がDockを離発着できることを実演。またDockはあらゆる環境に耐えられるよう、凍らせて、熱して、揺らして、あらゆる検証をしてきたそうです。非常にタフなDockの登場となると、さらにドローンのユースケースが広がりそうです。

　また、遠隔からでもあらゆる飛行を可能とするために重要なのが、機体を制御するための通信です。Skydio X10は、Starlink Businessや、先日発表されたSkydio Connect Access Point、そして5Gなど、多様な通信手段を駆使することで、遠隔操作が可能になります。特に新たに発表されたSkydio Connect Fusionによって、複数の通信手段間の自動切り替えも可能となり、これにより、構造物が多い都市部でも安定した通信環境が確保され、Dockの効果的な活用が加速します。

また、Skydio X10はアメリカでは既に提供が開始されており、警察や電力会社における変電所や配電設備の点検などにおいて活用が始まっています。

　Dock for X10発表の様子はこちらから。

Skydio社との取り組み

　KDDI・KDDIスマートドローンは、これまで様々な取り組みを行ってまいりました。2024年5月にはSkydio社との資本業務提携を発表し、Skydioのドローン技術とKDDIの通信・データ解析技術を組み合わせて、多様なソリューションを展開しています。

日本での具体的な取組み(社会課題への対応)

　具体的な取り組みとしては、「Skydio X10」を用いて都内54橋の詳細な点検や、NightSenseを用いたトンネル内での飛行が挙げられます。非GPS環境でも安定した飛行を誇るSkydio X10が、労働力不足やインフラの老朽化といった日本の社会課題解決へ寄与する可能性を示しています。

【Skydio X10】NightSenseを活用した橋梁点検

【Skydio X10】 NightSense トンネルでの暗所点検

SkydioX10で実現する迅速・効果的な災害地支援

2024年9月24日には、石川県の要請に基づき、Skydio X10を利用した道路の被災状況の確認を行いました。地上が困難な状況で、上空からのドローン活用により、迅速かつ効果的な情報収集が実現しました。このように、災害支援の分野でもドローンは欠かせない存在になりつつあります。

「Skydio X10」に対応したKDDIスマートドローンの3つの独自サービス

KDDIスマートドローンは「Skydio X10」に関連する三つの独自サービスを提供しています。
・Skydio認定講習: 公式技能認定を受けたインストラクターが監修した、高品質な講習プログラムを提供しています。
・あんしん機体補償: 機体の故障や破損時に、代替機体と交換できる仕組みで、業務を途切れさせずに続行できます。
・上空電波パッケージ: 従量プランや年額プランを新設。皆様の利用シーンに合わせて、よりリーズナブルに上空でのモバイル通信が利用可能です。

今後もKDDIスマートドローンは、Skydioプライマリーパートナーとして、「Skydio X10」の導入をトータルでサポートし、ユースケースを共に創出することで、社会課題の解決を加速していきます。