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2024年03月22日
トピックス

静岡県下田市でレベル3.5飛行による災害時の空撮による被災状況確認及び物資配送に向けたドローン実証実験を実施

2024年3月22日
静岡県下田市
KDDIスマートドローン株式会社
株式会社NEXT DELIVERY

 下田市(市長:松木 正一郎)、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:博野 雅文、以下、KDDIスマートドローン)、株式会社NEXT DELIVERY(本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下、NEXT DELIVERY)は、2024年3月11日から3月14日にかけて、静岡県下田市において、無人航空機レベル3.5飛行による災害時の物資配送及び空撮による被災状況確認に向けたドローン実証実験を実施しました。

【本実証について】
1.背景
 静岡県及び下田市では、過疎対策における革新的技術の活用を推進しており、これまで海水浴場の安全監視業務におけるドローンの活用に取り組み、令和4年度末から、防災・災害対策におけるドローンの活用の検討を開始しました。
 下田市は山間部に集落が点在しており、このうち8箇所については大規模災害時に道路の寸断や、孤立することが予想されます。発生時には孤立予想集落において、情報の収集、連絡手段の確保、物資の輸送など、安全、迅速、確実に実施することが必要になります。

2.実施概要
 河津建設資材倉庫(下田市箕作)→入谷地区(下田市須原)
 孤立予想集落への対策として、災害時における物資配送、道路や河川等の状況把握の実証実験を実施しました。

3.実施結果
 河津建設資材倉庫(下田市箕作)→入谷地区(下田市須原)
 飛行距離:片道4.7㎞、配送物:医薬品(医薬品を模した箱)・衛星携帯電話
 飛行時間:9分

<配送を行うAirTruck>
<配送を行った医薬品(医薬品を模した箱)と衛星携帯電話>
<衛星携帯電話を使用し災害状況を報告する様子>
<写真向かって左より、静岡県経営管理部地域振興課長 白濵 光弘、下田市長 松木 正一郎、
KDDIスマートドローン ソリューションビジネス推進2部部長 森嶋 俊弘>

4.機体・運航管理システムについて
・監視用機体
 可搬性に優れた小型・軽量機体のMatrice 300 RTKに、上空モバイル通信と運航管理システムによる遠隔制御および自律飛行を実現するスマートドローンアタッチメント(注1)を取り付けた機体を使用。

・配送用機体
 株式会社エアロネクスト(以下、エアロネクスト)が開発した日本発の物流専用ドローンAirTruck(注2)用い、レベル3.5飛行(無人地帯上空での目視外自律飛行)を行いました。また、運航はエアロネクストの子会社でドローン配送事業を主事業とするNEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが行い、機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズ(注3)の運航管理システムを活用しています。

5.実証実施体制
 プロジェクト統括:KDDIスマートドローン
 事業化検討・関係各所調査等:静岡県及び下田市
 機体提供・運航:KDDIスマートドローン、NEXT DELIVERY
 フィールド提供:静岡県下田市

6.説明要旨
下田市長 松木 正一郎
 災害が発生した際、孤立集落に対する迅速なサポートが重要になってきます。今回はドローンを活用して、医薬品(医薬品を模した箱)や衛星携帯電話の物資配送を行います。もう一つの目的は情報を運ぶということが重要と考えています。情報が遮断されてしまうことは災害時において非常に危険な状況です。情報をマネジメントする観点からもドローンの効果を検証することが今回の目的となります。


資 料

(注1)スマートドローンアタッチメント
 4G LTE通信機能を備えた300g以下の小型・軽量の通信デバイスであり、飛行現場でも行える10分ほどの簡単な機体への取り付け作業により、上空モバイル通信と運航管理システムによるドローンの飛行を実現します。

(注2)物流専用ドローンAirTruck
 次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®(注4)により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機。日本では各地の実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1,300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績を持つ(2023年11月)。最大飛行距離20km。ペイロード(最大可搬重量)最大5kg。

(注3)スマートドローンツールズ
 KDDIスマートドローン株式会社が提供する、ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」に、利用シーンに合ったオプションを組み合わせて利用できるサービス。「4G LTEパッケージ」は、全国どこからでもドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能とする「運航管理システム」や、撮影したデータを管理する「クラウド」、データ使い放題の「モバイル通信」、どのエリアでモバイル通信を用いた目視外飛行が可能か事前に確認できる「上空モバイル通信エリアマップ」などのツールをまとめて提供している。

(注4)機体構造設計技術4D GRAVITY®
 飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

以 上


【静岡県下田市とは】
 下田市は静岡県の東南部、伊豆半島の南部東側、北緯34度40分、東経138度57分に位置し、市域は東西13km、南北16km、面積は104.38平方キロメートル(全国都道府県市区町村別面積調による) の広がりを持っています。本市は天城山系の南端から太平洋に至る豊かな自然に恵まれた都市です。天城山系から続く急峻な山々と約47kmに及ぶすばらしい海岸線は、下田を特徴づける美しい景観をかたちづくり、 本市観光の大きな財産として、社会・経済の基盤を支えています。また年平均気温は約17度と温暖であり、降水量も年間1,900mmあまりと豊富です。このような気候と地形条件により、亜熱帯系から亜寒帯系までのさまざまな草花や果実を四季を通じて楽しむことができ、黒潮が育む豊富な海産物とあわせて本市の魅力となっています。
詳細については、下田市ホームページ https://www.city.shimoda.shizuoka.jp をご覧下さい。

【KDDIスマートドローン株式会社とは】
 KDDIスマートドローンは、4G LTEなどのモバイル通信を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・物流・監視・農業・測量などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。また、国内10拠点以上でドローン国家資格に対応した無人航空機操縦士資格コースとソリューションに特化した領域専門コースを運営するドローンスクール「KDDIスマート ドローンアカデミー」も展開しています。
会社概要は https://kddi.smartdrone.co.jp/ をご覧ください。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
 エアロネクストグループのミッション「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」に基づき、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの戦略子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新しい社会インフラとなる新スマート物流の仕組みSkyHub®の企画運営、全国展開を推進しており、共同配送とドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、販売、運用及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、全国各地で地域物流の効率化と地域社会の課題解決に取り組んでいます。
会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/ をご覧下さい。

*このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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