ニュースリリース・トピックス
2023年12月25日
ニュースリリース

島根県津和野町で地域課題解決に向けたドローン実証実験を実施

2023年12月25日
津和野町
KDDIスマートドローン株式会社
株式会社NEXT DELIVERY

 津和野町(町長: 下森 博之)、 KDDIスマートドローン株式会社(東京都港区、代表取締役社長: 博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)、株式会社NEXT DELIVERY (本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY)は、2023年12月19日から12月21日にかけて島根県津和野町において、地域課題解決に向けたドローン実証実験を実施いたしました。

<配送品を積み飛び立つ物流専用ドローンAirTruck>

【本実証について】
1.背景
 津和野町は、農林業、建設業、加工・製造業、そして観光産業を基幹産業として発展してきましたが、高度経済成長期に産業や人口が都市圏へ集積されるようになると、若者の流出による人口減少に歯止めがかからず、平成2年の国勢調査人口が12,131 人、令和2年には 6,875 人と約43%減少しています。今後、少子高齢化がますます進行していく見通しの中、住み良いまちを構築するためには、日常の買い物など生活利便性の維持が求められています。また、運送業界においては、人手不足や採算性から特に過疎地域における配送維持が課題となりつつあります。そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、課題の解決を目指す実証実験に、民間企業と行政が協働して取り組みます。

2.実施概要
 本実証では、池村地区において、食料品や日用品等をドローンの配送を行うことによる「買い物難民」の課題解決を検証。また、災害時の道路の寸断時の緊急物資配送を想定し、非常食や防災用品をドローンの配送を行うことによる「災害時の孤立地域発生」の課題解決について検証を行いました。

3.実施結果・今後の取組み
 池村地区において、食料品等で構成される「食品セット」(約1.7kg)を離陸地点である地域活性化複合施設建設地付近(津和野町枕瀬)から親水公園(道の駅 シルクウェイにちはら) (津和野町池村)までの片道約3.9kmを、ドローンにより約9分でお届けしました。
 また、災害時の道路の寸断時の緊急物資配送を想定し、非常食や防災用品で構成される「緊急物資セット」(約1.5kg)を離陸地点である地域活性化複合施設建設地付近(津和野町枕瀬)から野地公民館(津和野町池村)までの片道約5.0kmを、ドローンにより約11分でお届けしました。

<野地公民館で荷物を受け渡す様子>

 

使用したドローンを前に写真向かって右より NEXTDELIVERY企画グループグループ責任者近藤建斗、津和野町 町長 下森 博之、KDDIスマートドローンソリューションビジネス推進2部部長 森嶋俊弘

 機体は日本発の物流専用ドローンAirTruck (注1)を用い、レベル2飛行(無人地帯上空での目視内自律飛行)を行いました。また機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズ(注2)の運航管理システムを活用しました。
 今後は、様々な地域課題の解決及び地域における生活の質の維持・向上を図るべく、本実証を通じて抽出された課題の解決やその後のドローン物流の事業化を目指してまいります。

4. 実証実施体制
プロジェクト統括:KDDIスマートドローン
機体運航:KDDIスマートドローン、NEXT DELIVERY
フィールド提供:津和野町

(注1) 物流専用ドローン AirTruck
 次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機。日本では各地の実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績をもつ(2023年11月)。可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20km。

(注2)スマートドローンツールズ
 KDDIスマートドローン株式会社が提供する、ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」に、利用シーンに合ったオプションを組み合わせて利用できるサービス。「4G LTEパッケージ」は、全国どこからでもドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能とする「運航管理システム」や、撮影したデータを管理する「クラウド」、データ使い放題の「モバイル通信」、どのエリアでモバイル通信を用いた目視外飛行が可能か、事前に確認できる「上空モバイル通信エリアマップ」などのツールをまとめて提供している。

以上

(参考)
【津和野町とは】
津和野町は、島根県の最西端に位置する山間地域であり、東部及び北部は益田市、南部は吉賀町、西部は山口県萩市及び山口市に隣接しており、「山陰の小京都」と称される町です。地元出身の文豪森鷗外の記念館やわが国初めて西洋哲学を紹介した西周の旧居、日本五大稲荷の一つ太皷谷稲成神社等のある歴史の街です。一方で、豊かな森林やダムのない日本唯一の一級河川・高津川等の自然にも恵まれており、こうした環境の中で生産されるわさびや山菜、栗、サトイモ等の農産物や河川で採れる鮎やツガニ等の川の幸の宝庫となっています。
*津和野町詳細についてはhttps://www.town.tsuwano.lg.jp/www/index.htmlをご覧下さい。

【KDDIスマートドローン株式会社とは】
 KDDIスマートドローンは、4G LTEなどのモバイル通信を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・物流・監視・農業・測量などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。
*会社概要は https://kddi.smartdrone.co.jp/をご覧ください。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
 エアロネクストグループのミッション「人生100年時代の新しい社会インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る世界へ」に基づき、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの戦略子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新しい社会インフラとなる新スマート物流の仕組みSkyHub®の企画運営、全国展開を推進しており、共同配送とドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、販売、運用及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、全国各地で地域物流の効率化と地域社会の課題解決に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/をご覧下さい。

*このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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