鹿児島県でドローンを活用したイルカウォッチング支援と湾岸巡視実証を実施

2023年12月21日
デュアルドローンハンドラーズ株式会社
株式会社BMC
KDDIスマートドローン株式会社

デュアルドローンハンドラーズ株式会社（鹿児島県鹿児島市、代表取締役：山口 東洋一、以下 DDH）、株式会社BMC（鹿児島県鹿児島市、代表取締役：南波 穂、以下 BMC）、KDDIスマートドローン株式会社（東京都港区、代表取締役社長：博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン）は、2023年11月9日に、鹿児島市、鹿児島市漁業協同組合にご協力いただき、モバイル通信とドローンを使用したイルカウォッチング支援と湾岸巡視により地域課題解決に向けたドローン実証実験を実施いたしました。

【本実証について】
１． 背景
　ドローン利活用による鹿児島県の稼ぐ力強化策の一環として、基幹産業の観光分野に着目しました。鹿児島県の観光は、新型コロナウイルス感染症拡大により、国内外の観光客が減少し、大きな影響を受けています。昨今より回復傾向にあるものの、過去の水準以上の誘客には、県ならではの観光コンテンツの充実が地域課題とされています。
　このような背景を受けて鹿児島市内の観光コンテンツのひとつである桜島・錦江湾におけるイルカウォッチングに着目いたしました。モバイル通信に対応した自律飛行型ドローンの特性を活用した観光客とイルカの遭遇支援を行うことで国内外の誘因訴求としての付加価値を創出し、鹿児島県ならではの観光コンテンツの充実や観光客の満足度向上につなげることを目指しています。
　さらに、鳥瞰的な湾岸巡視を付加することで、今まで確認が行き届きにくかった場所へのドローンを活用した巡視が可能となり、観光客や地元住民への安心・安全の提供につながると考えております。

２．実施概要
　今回の実証実験では、２つのユースケースとして「イルカウォッチング支援」と「湾岸巡視」について、コンソーシアム内で以下の役割において実施しました。
＜各社の役割＞
・DDH：本事業代表窓口・実証実験に係る諸調整・取り纏め
・BMC：船舶・海上に係る諸調整・手配・海上環境やクルーズに係る知見提供
・KDDI：運航オペレーション、自律飛行型ドローンの運航管理システム・通信回線・機材の提供

　イルカウォッチングの実証では、遊覧船がイルカに遭遇するために2時間以上を要する傾向にありますが、観光コンテンツとしては時間を確保可能な観光客に限られています。そのため、イルカ遭遇効率が良い指定エリアの海域上空をスマートドローンが巡回しイルカの群れを探索、イルカの発見に成功しますと、遊覧船はその位置情報を把握して最適な航路で現地に向かいます。ドローンを活用してイルカの遭遇率を上げることで、今後のイルカウォッチングの利用客増加、さらには鹿児島市で楽しめる観光コンテンツとしての認知向上に繋げます。
　湾岸巡視では、大雨や自然災害などの事後の状況把握、避難港などの立入り禁止区域などで異常を発見し、初動対応などの検討を想定した。今回の実証では、海上や砂浜に打ち上げられ満潮時には再び漂流する可能性のある流木の状態や火山災害発生時に住民の避難のために設置されている避難港と併設されている退避舎がある立入禁止区域の状況をドローンから鳥瞰的に確認できることが分かりました。
　また、観光コンテンツと湾岸巡視の複数用途における複数機同時運航も行い、目的別の同時情報取得も実施いたしました。

３．今後の取り組み
　今回の実証を踏まえて、鹿児島ドローンビジネス創出コンソーシアムとして、湾岸の安心・安全の向上を目指した地域課題の解決や鹿児島の資源を生かした地域特色による地域経済の活性化に貢献できるようなビジネスモデルの創出に寄与してまいります。
※本実証は、自律飛行型ドローンを活用したビジネスモデルの創出に向け、県が支援する「地域課題解決型ドローン実証実験補助金」に鹿児島ドローンビジネス創出コンソーシアムの構成員として提案し、2023年6月16日に採択されたことを受けて実施するものです。

以上

資料

（注1）スマートドローン
スマートドローンはKDDIの携帯通信ネットワークに対応したドローンで、KDDIスマートドローン株式会社の登録商標です。ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツール「運航管理システム」「クラウド」「モバイル通信」をまとめた「4G LTEパッケージ」によってドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能にいたします。詳細はホームページ（https://smartdrone.kddi.com/）をご参照ください。
（注２）DJI Matrice 300 RTK（モバイル通信アタッチメント搭載）
「Matrice 300 RTK」にモバイル通信可能なアタッチメントを搭載。搭載することでスマートドローンの運航管理システムを利用することができ、遠隔操縦による自律飛行を実現します。
（注３）G6.0＆Nest
ドローンの自動充電が可能なポートとドローンがセットになっており、モバイル通信を用いた運航管理システムで制御することにより、遠隔操縦による自律飛行を実現します。
（注４）スマートドローンツールズ
ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」に、利用シーンに合ったオプションを組み合わせて利用できるサービス。「4G LTEパッケージ」は、全国どこからでもドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能とする「運航管理システム」や、撮影したデータを管理する「クラウド」、データ使い放題の「モバイル通信」、どのエリアでモバイル通信を用いた目視外飛行が可能か、事前に確認できる「上空モバイル通信エリアマップ」などのツールをまとめて提供しています。

【コンソーシアム構成企業】
・デュアルドローンハンドラーズ株式会社（コンソーシアム代表）
　鹿児島県鹿児島市に本社を置くドローンを用いた空撮・水中調査業務を行う会社です。2019年に設立された新しい会社で、国土交通省より全国包括飛行許可承認を取得しており、安全第一の撮影サービスを提供しています。また、本業の水産業の経験を生かし、水中ドローンによる水中撮影も得意とし、海底や湖水、河川などの水中環境の調査や探索業務を行っております。鹿児島ドローンネットワーク推進協議会（https://kdnpa.jp/）の会員企業として、鹿児島県でのドローンビジネスの普及を推進しております。
*会社概要は　https://ddh.jp/　をご覧ください。

・株式会社BMC（鹿児島県鹿児島市）
　錦江湾の自然と安全を護るための事業として、桜島が目前に広がる絶景スポット錦江湾でイルカクルーズの他、ナイトクルーズ、離島ツアーなど、鹿児島の魅力を存分にお楽しみいただける貸切クルーズビジネスを展開しております。
*会社概要は　https://bmc-cruise.com/　をご覧ください。

・KDDIスマートドローン株式会社
　KDDIスマートドローンは、4G LTEなどのモバイル通信を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・物流・監視・農業・測量などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。
*会社概要は　https://kddi.smartdrone.co.jp/　をご覧ください。