川根本町、エアロネクスト、セイノーHD、KDDIスマートドローンが地域課題解決に貢献するドローンを活用した新しい物流のビジネスモデルの構築に向けた連携協定を締結
2023年12月14日
静岡県川根本町
株式会社エアロネクスト
セイノーホールディングス株式会社
KDDIスマートドローン株式会社
川根本町(町長:薗田 靖邦)と、株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)、セイノーホールディングス株式会社(岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)ならびにKDDIスマートドローン株式会社(東京都港区、代表取締役社長: 博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)は、2023年12月12日(火)に、町が目指す過疎化等の地域課題の解決に向けて、町内でのドローン配送実証事業を含む次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を目的とした連携協定を締結いたしました。
川根本町とエアロネクストのドローン事業を行う株式会社NEXT DELIVERYは、この連携協定に先駆けて今月3・4日に、災害時の孤立集落へのドローン配送を想定した実証実験第2回を実施し、ドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流(注1)”SkyHub®“(注2)の社会実装に向けて動き出しています。
本協定は、その検討をさらに加速させ、相互の連携・協力により、ドローンをはじめとする次世代高度技術を活用した活動を推進し、地域発展に資する施策の推進を目的に締結するものです。
<連携協定の概要>
1.締結日
2023年12月12日
2.協定の内容
ドローンを含む次世代高度技術の活用により、以下の事項において連携・協定する。
(1)地域雇用、人材教育、人材育成、及び産業基盤整備に関する事項
(2)持続可能な地域交通、地域物流の確保と、住みやすい環境づくりに関する事項
(3)地域防災や地域の脱炭素への貢献、及び新しい社会インフラの整備に関する事項
(4)有事の際におけるドローン活用に関する事項
3.取り組みの概要(予定)
川根本町は総人口6,014人(2023年7月現在)、静岡県の中央部に位置し、町域は大井川に沿った東西約23km、南北約40kmの南北に細長い形で、面積は496.72km²(県全体の6.4%)、このうちの約90%を森林が占めています。自然が占める割合が多く、町の中心地から離れた集落が散見され、高齢化に伴う買い物難民の課題を抱えています。また、有事の際に孤立してしまう可能性のある集落も多く、災害などで道路が遮断され交通手段がない場合の物資輸送の課題もあります。そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みをつくり、課題の解決を目指す実証実験を実施しながら、次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を、民間企業と行政が協働して取り組んでまいります。
12月12日に川根本町役場で実施された連携協定調印式には、各代表がそれぞれ以下のようにコメントしています。
<川根本町長薗田靖邦のコメント>
少子高齢化が進む本町において、今後は買い物支援や交通難民対策が必要となってきます。物流業界の 2024 年問題も深刻化する中で、ドローンを上手に活用し本町の地域課題を解決できるよう皆さんと協力していきたいと思います。
<エアロネクスト代表取締役CEO田路圭輔のコメント>
川根本町では、9月と12月に災害時の孤立集落へのドローン配送を想定した実証実験を実施し、住民の皆様の強い関心と期待を感じることができました。町は高齢化に伴う買い物難民の課題も抱えており、これらの問題解決と地域物流の最適化を目指し、今回の連携協定締結を機に地上輸送とドローン配送を連動する新スタート物流SkyHub®︎を早期に実装したいと考えています。
<セイノーHD執行役員河合秀治のコメント>
セイノーHDは、幹線輸送の強みを活かしたラストワンマイル配送領域において、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、生活困窮家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルの構築を積極的に推進・拡大しております。川根本町においては、物流各社が協力して既存物流の効率化を図り、さらに、テクノロジーの実装で住民の皆様が持続的に安心して暮せる街づくりと住民サービスの維持、向上を進めます。将来、ドローンによる自動化を視野に入れ、有事に機能するインフラとしても、新たな空と陸の物流モデル構築に向け取組んで参ります。
<KDDIスマートドローン代表取締役社長博野雅文のコメント>
今回、連携協定が結ばれたことを本当に嬉しく思います。私たちの会社は、モバイル通信とドローンを使って、新しい価値を社会に提供することを目指し、2022年4月にスタートしました。私たちが持っているモバイル通信と運航管理システムを最大限に活用し、自然に恵まれ、地域の魅力が溢れる川根本町において、持続可能な地域の物流モデルを作り上げるために全力を尽くして参りたいと思います。
この連携協定により、4者が相互に連携、協力し、町の課題や市民のニーズに沿って、ドローンを含む次世代高度技術の活用により、川根本町における地域の課題解決と活性化に寄与してまいります。
以上
資料
(注1)新スマート物流
物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応、等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術、等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム(O.P.P.)による共創で実現を目指す。
(注2)新スマート物流SkyHub®︎
エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存の陸上輸送とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれた、オープンかつ標準化したプラットフォームで、ドローンデポ®︎を拠点に、車とドローンを配送手段として、SkyHub®︎TMSをベースに、SkyHub®Delivery(買物代行)、SkyHub®Eats(フードデリバリー)、SkyHub®Medical(医薬品配送)、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送など、地域の課題やニーズに合わせたサービスを展開、提供する。
SkyHub®︎の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流2024年問題に直面する物流業界において、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。
(注3)AirTruck
エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローンAirTruck。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®(注4)により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。日本では各地の実装地域や実証実験で飛行しトップクラスの飛行実績をもち、海外ではモンゴルで標高1300m、外気温-15℃という環境下の飛行実績をもつ(2023年11月)。
(注4)機体構造設計技術4D GRAVITY®︎
飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®︎特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®︎による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。
(注5)スマートドローンツールズ
KDDIスマートドローン株式会社が提供する、ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」に、利用者の利用シーンに合った「オプション」を組み合わせて利用できるサービス。「4G LTEパッケージ」は、全国どこからでもドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能とする「運航管理システム」や、撮影したデータを管理する「クラウド」、データ使い放題の「モバイル通信」、どのエリアでモバイル通信を用いた目視外飛行が可能か、事前に確認できる「上空モバイル通信エリアマップ」などのツールをまとめて提供している。
【静岡県川根本町とは】
*川根本町詳細については川根本町ホームページ(https://www.town.kawanehon.shizuoka.jp/index.html)をご覧下さい。
【株式会社エアロネクストとは】
IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY🄬。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。
【セイノーホールディングス株式会社とは】
セイノーホールディングスは、物流を中心軸として、金融、人材、調達など物流周辺領域までワンストップで価値を提供しています。私たちは、お客様の繁栄に貢献するため、物流を超えて心をつなぎ、すべての人に笑顔と幸せをお届けする企業集団を目指しています。現在「Team Green Logistics」をスローガンに、業界や企業の垣根を超えたオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)の展開を全体戦略として、日本が直面している少子高齢化・環境問題などの社会課題の解決に向け、持続可能な物流ネットワークの最適化を実現する「Green物流」の共創に挑戦しています。ラストワンマイル領域においては、社会全体の生活様式や構造の変化に伴って、買い物弱者や貧困家庭への対策として「社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.」の構築を積極的に推進しています。
*オープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)
社内外、業種の違い等を問わず連携した(オープン)、誰もが使える(パブリック)物流プラットフォームを構築し、プラットフォーム利用者それぞれの効率化や価値向上、さらにはインフラとして産業・環境・生活への貢献を実現する構想
*会社概要はhttps://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/をご覧下さい。
【KDDIスマートドローン株式会社とは】
KDDIスマートドローンは、4G LTEなどのモバイル通信を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・物流・監視・農業・測量などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。
*会社概要はhttps://kddi.smartdrone.co.jp/をご覧ください。
*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」、「SkyHub(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。
*その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。