沖縄セルラーとKDDIスマートドローン、ドローンを用いた通信基地局の自動点検を実証

沖縄セルラー電話株式会社
KDDIスマートドローン株式会社
2022年11月15日

　沖縄セルラー電話株式会社（本社: 沖縄県那覇市、代表取締役社長：菅 隆志、以下 沖縄セルラー）とKDDIスマートドローン株式会社（本社:東京都港区、代表取締役社長：博野 雅文、以下KDDIスマートドローン）は、本年、8月18日～9月20日に、沖縄セルラーの鉄塔型基地局2カ所でオートフライトを搭載したドローン「Skydio 2+™」で自動撮影を行い、その撮影画像を沖縄セルラーのAI画像解析技術を活用し鉄塔型基地局の自動点検（以下 本点検）の実証を実施しました。

　鉄塔型基地局の点検は高所作業を伴うため、技術を有した作業員の確保や作業時の徹底した安全確保を行う必要があり、点検時間及びコストの面で課題がありました。
　今回、課題解消への取り組みとして、ドローンを利用した自動点検とAI解析技術を活用したサビ判別の自動化について実証を行いました。

　沖縄セルラーは以前から自然保護プロジェクト活動（マングース）などでAI画像解析技術を用いた取り組みを行ってきており、そこで得たノウハウを活かして独自に開発しているAI画像解析技術を活用しました。ドローンの選定やフライトは、KDDIスマートドローンがこれまでに行ってきた、多様な構造物のドローンによる点検から培った技術・知見をもとに行いました。
　沖縄セルラーとKDDIスマートドローンは、機体メーカーであるSkydio, Inc.など、パートナーとの連携を通して、引き続き本点検の実用化に向けた検討を進めて参ります。

■本点検の内容
１．概要
　本点検では、鉄塔型基地局をオートフライトソフト搭載のドローンで精細な画像の撮影を行いました。撮影した画像データは、AI画像解析技術を活用することにより、塗装剥がれ、サビ、腐食などの劣化個所を特定し、損傷部識別の正確性を確認する実証を行いました。

２．実証結果について
　オートフライトソフト搭載のドローンを使用し、基地局全体を漏れなく写真撮影することができました。1鉄塔あたり約20分程度で撮影することができ、従来の点検手法よりも15分の1程度に時間を短縮できることが分かりました。撮影された写真は高精細で、高所作業により接写された写真と比べても遜色がなく、また、AI画像解析モデルによる劣化個所の特定もできました。上記の実証結果を踏まえ、従来の高所作業による外観点検の代替性の検証ができました。今後は運用フロー等も考慮した検討を行います。

３．実証実験のイメージ

4．利用機体

５．今後の応用・展開など
　鉄塔の劣化診断だけでなく、ドローンの自律飛行およびAI画像解析を組み合わせた橋梁・建物などの設備診断や、農業、観光など沖縄の基幹産業にも広く展開できるような技術とノウハウをパートナーと獲得していきます。