ニュースリリース・トピックス
2023年03月14日
トピックス

山口県長門市で地域課題の解決に貢献する新スマート物流の構築に向けた実証実験の実施

~ドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けて~

セイノーホールディングス株式会社
株式会社エアロネクスト
株式会社NEXT DELIVERY
KDDIスマートドローン株式会社
長門市
2023年3月14日

 株式会社電通西日本(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:宇治田 達、以下 電通西日本)、セイノーホールディングス株式会社(本社:岐阜県大垣市、代表取締役社長:田口 義隆、以下 セイノーHD)、株式会社エアロネクスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路 圭輔、以下エアロネクスト)、株式会社NEXT DELIVERY本社:山梨県小菅村、代表取締役:田路 圭輔、以下NEXT DELIVERY、KDDIスマートドローン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長: 博野 雅文、以下 KDDIスマートドローン)と長門市市長:江原 達也は、3月13日(月)に、長門市街地から俵山地区への生鮮食料(鮮魚)の配送をするため、旅客列車による貨客混載輸送とドローン配送を組み合わせたリレー配送の実証実験を実施し、報道関係者に公開しました。
 本実証実験は、NEXT DELIVERYとKDDIスマートドローンが連携して、セイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流(注1)”SkyHub®“(注2)の社会実装の検討に向けて行われたものです。

仙崎駅から長門湯本駅へ貨客混載で運ばれきた商品をドローンに積替え
(長門湯本駅前)
ドローンスタンドに着陸する物流専用ドローン”AirTruck(注3)
(俵山地区)
ドローン配送された商品を受取る
ゲストハウスのオーナー(写真左)
(俵山地区)

【実証実験概要】
1.背景と目的
 長門市は、農林水産業、観光産業を基幹産業として発展してきましたが、高度経済成長期に産業や人口が都市圏へ集積されるようになると、若者の流出による人口減少に歯止めがかからず、平成 2 年の国勢調査人口 47,656 人が、平成 27 年には 35,439 人と約 25.6%も減少しています。今後、少子高齢化がますます進行していく見通しの中、高齢者の住み良いまちを構築するためには、日常の買い物など生活利便性の維持が求められています。また、運送業界においては、人手不足や採算性から特に過疎地域における配送維持が課題となりつつあります。そこで、物流の最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みをつくり、課題の解決を目指す実証実験に、民間企業と行政が協働して取り組みます。

2.実施内容
 本実証では、物流事業者などの事業環境が大きく変わる中で、物を運ぶだけでなく、買い物難民の解消や公共交通の維持など地域課題解決を図ることができるように、物流網の再構築を目指します。今回は「貨客混載」をテーマとして、仙崎駅から長門湯本駅まではJR仙崎線・美祢線を利用し、JR長門湯本駅前から俵山温泉までドローンを利用して配送を実施いたしました。今回のドローン配送の実証はエアロネクストが開発をした物流専用ドローンAirTruck(注3)を用いています。機体の制御には、KDDIスマートドローンが開発したモバイル通信を用いて機体の遠隔制御・自律飛行を可能とするスマートドローンツールズ(注5)の運航管理システムを活用しました。
 3月13日(月)の報道関係者への公開では、JR長門湯本駅前から俵山温泉までの片道約10kmをドローンで配送。約20分で飛行し、俵山温泉のゲストハウスのオーナーに生鮮食料品(鮮魚)をお届けしました。ドローンが空から降りて来て商品が届けられた際は、住民たちから大歓声があがりました。

実証実験に使用した日本発物流専用ドローン“AirTruck”(注3)
今回ドローン配送された鮮魚
(イカ、メジナ、メバル)

 今後も地域住民への理解促進及び地域課題の解決へ向けドローンをはじめとする次世代高度技術を活用しドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub®“の社会実装に向けた検討を進めてまいります。

※本実証実験は、株式会社電通西日本がプライムとなり、一般社団法人環境普及機構より、令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金交付対象事業(社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業)として採択されています。

(注1)新スマート物流
 物流業界が共通に抱える人手不足、環境・エネルギー問題、DX化対応等の課題を、デジタルやテクノロジーを活用しながら解を探究し、人々の生活に欠かせない生活基盤である物流を将来にわたって持続可能にするための官民での取り組み。ラストワンマイルの共同配送、陸送・空送のベストミックス、貨客混載、自動化技術等々、業界内外の壁を越えたオープンパブリックプラットフォーム(O.P.P.)による共創で実現を目指す。

(注2)新スマート物流SkyHub®︎
 エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。
ドローン配送が組み込まれた、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみで、ドローンデポ®︎を拠点に、SkyHub®アプリをベースにした配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送、異なる物流会社の荷物を一括して配送する共同配送などのサービスを提供する。
 SkyHub®の導入は、無人化、無在庫化を促進し、ラストワンマイルの配送効率の改善という物流面でのメリットだけでなく、新たな物流インフラの導入であり、物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

(注3)物流専用ドローン AirTruck
 次世代ドローンのテクノロジースタートアップ、株式会社エアロネクストがACSLと共同開発した日本発の量産型物流専用ドローン。エアロネクスト独自の機体構造設計技術4D GRAVITY®(注4)により安定飛行を実現。荷物を機体の理想重心付近に最適配置し、荷物水平と上入れ下置きの機構で、物流に最適なユーザビリティ、一方向前進特化・長距離飛行に必要な空力特性を備えた物流用途に特化し開発した「より速く より遠く より安定した」物流専用機です。試作機は日本各地の実証実験で飛行し日本No.1の飛行実績をもつ。

(注4)機体構造設計技術4D GRAVITY®
 飛行中の姿勢、状態、動作によらないモーターの回転数の均一化や機体の形状・構造に基づく揚力・抗力・機体重心のコントロールなどにより空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させるエアロネクストが開発した機体構造設計技術。エアロネクストは、この技術を特許化し4D GRAVITY®特許ポートフォリオとして管理している。4D GRAVITY®による基本性能の向上により産業用ドローンの新たな市場、用途での利活用の可能性も広がる。

(注5)スマートドローンツールズ
 KDDIスマートドローン株式会社が提供する、ドローンの遠隔自律飛行に必要な基本ツールをまとめた「4G LTEパッケージ」に、利用者の利用シーンに合った「オプション」を組み合わせて利用できるサービス。「4G LTEパッケージ」は、全国どこからでもドローンの遠隔操作・映像のリアルタイム共有を可能とする「運航管理システム」や、撮影したデータを管理する「クラウド」、データ使い放題の「モバイル通信」の3つのツールをまとめて提供している。

(参考)

【長門市とは】
 長門市は、本州の最西北端、山口県の西北部に位置します。東は萩市、南は下関市、美祢市に接し、北側には北長門海岸国定公園に指定される美しい日本海の風景が広がっています。日本海沿岸一帯の豊かな漁場では、古くから捕鯨や漁業が盛んに行われ、多くの漁港が点在しています。北長門海岸国定公園に指定される海岸線では、日本海の荒波に浸食された岩と白い砂浜が出入りし、変化に富んだ雄大な自然景観を生み出しています
*長門市詳細については https://www.city.nagato.yamaguchi.jp/ をご覧下さい。

【株式会社電通西日本とは】
 電通西日本は、西日本エリアにおいて「総合広告会社」の領域に留まらず、広告の在り方や、世の中における広告の価値が変化してきた今、クライアントや地域社会により良い何かをもたらすことため、本質的な「課題解決」と「価値創造」こそが、事業領域だと考えて事業を展開しています。「広告」はそのための手段の一つであり、新しいビジネスを創造すべく西日本エリアの成長に寄与しています。
*会社概要は https://www.dentsu-west-j.co.jp/ をご覧下さい。

【セイノーホールディングス株式会社とは】
 セイノーホールディングスは、価値創造型総合物流商社を標榜し、お客様に「時空を超えた価値提供」を目指しています。お客様の繁栄を基軸に、日本全体の効率化を意識したプラットフォームを構築すべく、オープンニュートラルな関係で業界内外において手を取り合い、お客様により良い最適なサービスを提供する「オープン・パブリック・プラットホーム構築(O.P.P.)」を具現化させることをグループの全体戦略としています。ラストワンマイル領域においては、生活様式の変化や構造変化に対応すると共に、買い物弱者対策、貧困家庭対策等の社会課題解決型ラストワンマイルO.P.P.の構築を積極的に推進・拡大しています。
*会社概要は https://www.seino.co.jp/seino/shd/overall-condition/ をご覧下さい。

【株式会社エアロネクストとは】
 IP経営を実践する次世代ドローンの研究開発型テクノロジースタートアップ、エアロネクストは、空が社会インフラとなり、経済化されて、ドローンで社会課題を解決する世界を生み出すために、テクノロジーで空を設計する会社です。コアテクノロジーは、重力、空力特性を最適化することで、安定性・効率性・機動性といった産業用ドローンの基本性能や物流専用ドローンの運搬性能を向上させる、独自の構造設計技術4D GRAVITY🄬。この4D GRAVITY®︎を産業用ドローンに標準搭載するため強固な特許ポートフォリオを構成し、4D GRAVITY®︎ライセンスに基づくパートナーシップ型のプラットフォームビジネスをグローバルに推進しています。また、ドローンを活用した新スマート物流SkyHub®の実現のために戦略子会社を設立し、ドローン配送サービスの社会実装にも主体的に取り組んでいます。
*会社概要は https://aeronext.co.jp/company/ をご覧下さい。

【株式会社NEXT DELIVERYとは】
 「人生100年時代の空と陸と時間を繋ぐ4D物流™インフラで、豊かさが隅々まで行き渡る国へ」をビジョンに、2021年に山梨県小菅村に設立されたドローン配送を主事業とするエアロネクストの子会社。エアロネクストとセイノーHDが共同で開発し展開する、既存物流とドローン物流を繋ぎこんだ新スマート物流のしくみSkyHub🄬の実質的な企画運営、全国展開を推進しており、ドローン配送に関わるハード及びソフトウェアの開発、製造、販売、レンタル及び保守事業等の周辺事業も展開しています。山梨県小菅村を皮切りに、北海道上士幌町、福井県敦賀市等、地域物流の効率化、活性化に取り組んでいます。
*会社概要は https://nextdelivery.aeronext.co.jp/をご覧下さい。

【KDDIスマートドローン株式会社とは】
 KDDIスマートドローンは、4G LTEなどのモバイル通信を用いてドローンを制御することで、安全な遠隔飛行・長距離飛行を実現するサービスの構築を行っています。ドローンによる新たなビジネスの実現や、点検・物流・監視・農業・測量などのさまざまな分野におけるお客さまのニーズに即した機動的なサービスの提供に取り組んでいます。
*会社概要は https://kddi.smartdrone.co.jp/ をご覧ください。

*エアロネクストおよびエアロネクストのロゴおよび、「4D GRAVITY(R)」「SkyHub(R)」「ドローンデポ(R)」「ドローンスタンド(R)」は、株式会社エアロネクストの商標です。 *その他、このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

以上

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